見方

弊社事務所下の空きテナントを見たい
という方とお会いする機会があった。

半世紀前の古い鉄筋コンクリート造。

エレベーターもない。

はっきり言ってボロい。




ボロを着ても心は錦ではないが、
掃除はするように心掛けているので、
小汚い印象はないと思う。

それだけがセールスポイントだと
自分では思っていた。

だが競争力には乏しい。




ご夫婦で来られていたのだが、
奥様は予想に反して好印象のよう。

この古さがいいのだと言われる。

しかもカワイイとまで…




女性が繰り出すカワイイは、
定義が広く、使われ方に
戸惑いを感じる。

ただその感覚が理解できると、
オシャレになれた気がするが、
オシャレになりきれない私。




悪く言えばボロ、良く言えばレトロ。

私の寿命とあまり変わらぬこの建物。

一緒に同じ時代を生きてきた。

この同僚をただのボロだと認識していた
自分を恥じる。




『ワシの良さはアンタには分からんよ』

そう建物に言われたような気がする。

『申し訳ない、反省しとります』




そこでレトロ感を自分で探してみた。

1.jpg

何も感じない空きテナント。




2.jpg

よく見たらスチールサッシ。

こんなクレセント今では貴重。

3.jpg

こんな引手も見かけません。




4.jpg

スイッチも時代を感じます。




5.jpg

古い木製建具。

6.jpg

入っているガラスもレトロ~

7.jpg

おまけに丁番のビスがマイナスネジ。

脱着がすごく面倒なんですね。
プラスネジの数倍は厄介です。
(マイナスの評価は不要でしたね)




8.jpg

手洗場のタイル。

昭和の香りがプンプンします。

9.jpg

物置の裏側。

東洋陶器という会社名。

現在ではTOTOと言われますが、
昔の社名はこうだったのですね。




ご夫婦が窓から下を眺めておられた。

10.jpg

「あの建物は何ですか?」

「倉庫なんです」

「上まで上がれるんですね?」




いつも見ていると廻りが見えなくなる。

確かに上がれるが登る事はほぼ無い。

観察してみると屋上には手摺がない。

だが屋上に上がる階段はある。

改めて見ると不思議な建物だ。





「倉庫も借りれますか?」

「すみません、あれは無理です」

「残念です…」




11.jpg

確かにこれもレトロです。

なかなか見ない造り。

鉄の縦格子がいるのかい?

鉄扉のカンヌキも年代モノ。

12.jpg

片開扉の錠前。

これもかなり古いですね。

13.jpg

これで開錠します。

棒鍵。

若い人は見た事もないでしょうね。




ボロいばかりだと思っていた同僚。

見方を変えるだけでこれまでと
180度違ったモノが見えてきた。




アナタには風雨を耐えてきた
貫禄があります。

地震にも動じる事なく、しっかりと
人命を守ってきた。

これから先も一緒に元気に老いて
いきましょう!




建物レジェンドと言えば言い過ぎか。





今日の思い付き

『ボロカワイイ。。。』

この記事へのコメント

2022年01月10日 16:04
通っていた中学校(昭和40年ころ建てられた)を思い出しました。
yoshiken
2022年01月11日 19:51
同じ時代を生きていますね

この記事へのトラックバック